データセンターネットワークが「画面クリック」でカンタン構築?〜L3ファブリック導入検討企業は必見の最新情報
データセンターを新設・増設する際に「L3ファブリック」を採用したい企業が増えています。しかし、そのときに直面しやすいのが、「設計・構築の知識習得」「機器の追加作業」「マルチベンダー環境の機器設定」といった課題。そこで今回は、次世代データセンターのネットワークを効率的に新設・増設・および運用するためのヒントをご紹介します。データセンターのエンジニアの工数削減、脱コマンドラインを考えている方におすすめの記事です。
目次
【課題編】データセンター新設・増設の際に、L3ファブリックを採用したいが…
ネットワークが社会インフラのひとつとなったいま、通信トラフィック量は爆発的な増加を続けています。それに伴い、ネットワーク関連の事業者においては、サービス品質の維持向上や、サービスの拡大を目的とし、データセンターの新設や増設の機運が高まっています。その際、近年では運用や拡張性を考慮し、L3ファブリックが採用されるケースが増えてきています。
L3ファブリックは一般的に、IP CLOSと呼ばれるLeaf-Spineアーキテクチャを構成し、その上でOSPFやBGPなどの汎用ルーティングプロトコルを用いたL3ネットワークを構築します。さらに、仮想ネットワークとしてEVPN/VXLANを導入し、全体としてL2フラットなネットワークを構築することで利便性が大幅に向上するため、近年のデータセンターネットワークの主要トレンドになっています。
ただし、データセンターネットワークには上述のように多くの専門知識が求められるため、運用者においては新たなスキル習得が必要といった課題もあります。主な課題として、以下の3点が挙げられます。
●課題2 機器の追加作業に手間がかかる
●課題3 マルチベンダー環境の機器設定が煩雑
まずは、これらの課題の詳細について見ていきましょう。
●課題1 設計・構築の知識習得が難しい
(1)BGPなどサービスプロバイダレベルの通信プロトコルを理解しなければならない。
(2)拡張し続けるスケールを考慮してネットワークを設計するスキルが求められる。
(3)運用チームがサーバーエンジニア主体で構成され、ネットワークに関する知識が不十分なケースも…。
●課題2 機器の追加作業に手間がかかる
(1)スイッチを増設するたびに、追加のVNI情報を既設スイッチに設定しなければいけない。
(2)ネットワークを拡張する際に、スイッチ1台ごとに設定作業が必要なため、膨大なエンジニア工数が発生してしまう。
●課題3 マルチベンダー環境の機器設定が煩雑
(1)ベンダー冗長化のために、複数ベンダーの機器が混在している環境では、ベンダーごとの設定方法を習得しなければならない。
(2)取扱いベンダー数に応じて、学習・設定作業の工数が膨れ上がってしまう。
【解決策編】データセンター増設時のネットワーク課題は「ソフトウェア」で解決
ここでは、上記で取り上げた、新たな時代のデータセンターネットワークとして、L3ファブリック活用を考えた時に生じがちな3つの課題に対し、ソフトウェアを活用して解決するためのヒントをご紹介します。
●解決策1 設計・構築をまるごとソフトウェアにお任せ
「設計・構築の知識習得が難しい」という課題に対し、ソフトウェアを活用し、ネットワークの構成テンプレートを利用することができます。運用者はデータセンターネットワークの十分な知識がなくとも、用意されたテンプレートに沿って最低限のパラメーターを設定するのみで、自動的にネットワークを構築することができます。
ソフトウェアを活用することで、運用者は一からネットワーク設計を考えたり、機器の設定コンフィグを作成したりする作業が不要となります。さらには、前提となるネットワーク知識を学習する工数からも解放されます。
●解決策2 機器の増設もソフトウェア側で一括処理
「機器の追加作業に手間がかかる」という課題に対し、ソフトウェアを活用し、工数を削減することができます。
追加の VNI 情報など、機器増設時に必要なコンフィグは、ソフトウェアで自動生成できるため、運用者はコンフィグを検討したり、全体的な設定を見直したりする作業が不要となります。
さらに、各スイッチへの設定作業は、エージェントを用いてソフトウェアでの一括処理ができるため、従来のように個々の機器にログインして個別に設定する作業からも解放されます。
●解決策3 マルチベンダー環境のコンフィグもソフトウェアがサポート
「マルチベンダー環境の機器設定が煩雑」という課題に対し、ソフトウェアを活用することで、各機器のコンフィグを自動生成することができます。
生成されたコンフィグは、あらかじめベンダーが動作検証済のものとして提供されるため、人的な設定ミスをあらかじめ回避することができます。また、コンフィグの生成や機器への反映は、すべて GUI 上で完結できるため、運用者はコンフィグそのものを理解する必要はなく、ベンダーごとの機器設定方法を学習する工数からも解放されます。
【解説編】インテントベースネットワークを後押しするJuniper Apstra
これまで、L3 ファブリックの導入における課題に対し、ソフトウェアで解決するためのヒントを紹介してきました。このように、データセンターネットワークの「あるべき姿」に向けて、ソフトウェアが自発的に設計・構築・運用管理をすべてサポートするという新しい考え方を、「インテントベースネットワーク(意図に基づくネットワーク)」と呼んでいます。
インテントベースネットワークは、設計の「意図」に基づき、作成したネットワークが「あるべき姿」になっているかどうか、導入後の状態確認も含めた継続監視がキーポイントとなります。単にネットワークを構築することがゴールではありません。
このインテントベースネットワークを実現するジュニパーネットワークスの製品が「Juniper Apstra」です。
Juniper Apstraは独自のグラフ・データベースを備えており、ネットワークの「あるべき姿」をポート単位、プロトコル単位まで管理しています。データベースの情報はSingle Source Of Truth(SSOT:信頼できる単一の情報源)として位置付けられ、実際のネットワークの状態と常時比較することで、リアルタイムにネットワークの正常性を監視し続けます。
Juniper Apstraは導入の前後まで含めて、一貫してインテントベースネットワークの思想に基づく運用管理を実現します。
●Juniper Apstraの特長1 L3ファブリックの構築から監視までをソフトウェアで自動化
次に、Juniper Apstraの主な特長について紹介します。
Juniper Apstra は、L3 ファブリックの構築および、導入後の監視を自動化することを目的に開発されたソフトウェアです。 ユーザーがインプットした情報にもとづき、システムが設定コンフィグを自動的に作成。ネットワークデバイスへの流し込みまでを自動化することで、意図したネットワーク構築の実現に寄与します。
●Juniper Apstraの特長2 デザインから運用まで、操作しやすい画面でサポート
Juniper Apstra は、ネットワーク構成や設定、運用などに関する見やすく操作しやすい画面を提供しています。こうした操作画面を提供することで、L3 ファブリック時代の運用担当者の日々の業務を支援します。
関連製品 データセンタースイッチ QFXシリーズ
データセンタースイッチとして、優れた拡張性と高速処理を実現するジュニパーネットワークスの QFX5000 シリーズ、QFX10000シリーズ。Juniper Apstraソフトウェアと共に導入いただくことで、スケールメリットの高いデータセンターネットワークの構築にお役立ていただけます。
データセンタースイッチ QFXシリーズについて、詳しくはこちらをご覧ください。
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