「見える化」で回線サービス品質を高めて、顧客満足度向上につなげるヒント〜「知らぬ間の顧客離れ」に要注意!
回線事業者にとって、安定したサービス品質を維持し、顧客離れを防ぐことは重要な課題です。そこで本記事では、回線事業者A社を例に、
●サービス品質やサポート対応における不備が多発すると、顧客に他社へ乗り換えられてしまうリスク
●「見える化」で、顧客の満足度向上につなげる方法
についてご紹介します。
目次
課題編:サービス品質の低下を食い止め、顧客満足度を向上させるには?
ネットワークが社会インフラのひとつとして行き渡ったいま、ユーザーが自由にサービスを選択できる時代になりました。回線事業者A社でも、サービス品質やサポート対応における不備が多発すると、顧客に他社へ乗り換えられてしまうリスクがあると考えていました。そのために、次のような課題を解決すべきと考えていました。
【課題1】サービス開通時のテストに時間がかかりすぎる
■サービス開通テストには時間が必要:
開通時のテストに時間がかかる。2~3ヶ月もかかることがある。
■担当者の手配が難しい場合も:
専門性が高い場合もあり、対応する人材確保が困難であったり、アサインに時間が必要だったりする。
【課題2】ネットワーク全体のサービス品質を把握しきれない
■サービス品質がモニタリングできない:
ネットワークの状態をモニタリングできていない。何かトラブルがあってもすぐにはわからない。
■原因切り分けが困難:
トラブルが発生した場合に、何が問題なのかを把握し、原因究明するのが難しく時間がかかってしまう。
A社では、これらの課題を解決し、安定したサービス品質を維持・顧客離れ防止のために、「見える化」による顧客満足度向上に向けた取組みを開始しました。
解決策編:顧客満足度を向上させるための「見える化」のポイント
ここでは、「見える化」により、「サービス開通時のテスト時間短縮」と「ネットワーク全体のサービス品質の把握」という課題がどのように解決できるのかをそれぞれ見ていきましょう。
【解決策1】ネットワーク回線テストをリモートから「見える化」
①テスト時間の短縮のために
従来2~3ヶ月かかっていた開通時のテスト。時間がかかる原因は、多様なプロトコルを用いてテストし、計測する必要があること。および、作業員を派遣して現地対応を必要としていたこと。 この業務を短縮する方法のひとつとして、顧客の拠点側に仮想テストエージェントを設置し、テストトラフィックを生成・送出して測定することが挙げられます。リモートからでも「見える化」することが解決のポイントです。
②測定を構造化しテンプレート化
また、テストパターンに応じたシナリオをあらかじめテンプレートとして作り込んでおくことで、テスト時間の短縮が可能です。テンプレートでは任意のプロトコルを選択して組み合わせるとともに、テストの実行順を自由に組み替えることができるので、顧客の用途に応じたテストパターンを作り込むことができます。
【解決策2】ネットワークの通信品質を常時「見える化」
①ネットワークの現状を把握するために
ネットワーク上で何が起きているのか「見えない」状態から「見える化」するための方法として、定常的にテストトラフィックを流して監視することが解決策のひとつとなります。 ネットワークの任意の地点で定常監視を行うことで、サービスのパフォーマンス維持・向上に役立てることができます。 また、問題発生時にも発生箇所をリアルタイムに把握することができます。 ネットワークの監視は自社網内に留まらず、自社網と顧客拠点や、自社網とクラウドサービスなど、障害切り分けが必要な地点で測定することが肝要です。
②問題箇所の切り分け
いつ・どこで問題が発生したかを継続的に監視し、トラブルの原因を「見える化」します。ポイントは、顧客が気づく前に問題を特定、把握し、トラブルシューティングを行うこと。問題をプロアクティブに解決することで、予期せぬ顧客満足度の低下を防ぎます。
関連製品:「見える化」を実現する、「Paragon Active Assurance」
昨今、4G/5G を始めとしたモバイルネットワークの普及や、SaaS やIaaS をはじめとしたクラウドサービスの一般化により、回線事業者内の自社網はもちろん、顧客のネットワークも複雑化しています。 顧客課題を解決しサービス満足度を高めるには、自社網と顧客網とを併せたエンド・ツー・エンドの「見える化」が重要なポイントとなります。
今回、このように複雑化したネットワークを「見える化」するために紹介したいのが、ジュニパーネットワークスの「Paragon Active Assurance」です。この製品は、仮想マシンベースのテストエージェントを自由に配置し、エンド・ツー・エンドのトラフィックモニタリングを提供します。回線事業者網のみならず、お客様拠点やクラウドサービス上など、ネットワークの到達性があればどこへでも、リアルタイムでのトラフィック測定を実現します。
■画面イメージ:テストシナリオの作成
ステップごとにプロトコルを選択し、同時に実行するテストを設定します。また、ステップを分けることで連続的なテストを構成することができます。(画面のシナリオは回線の正常性テストを想定)
■画面イメージ:Pathtrace 試験
特定の宛先に対するホップカウントと通信速度を計測します。経路内のどのルーターで遅延が発生しているかを「見える化」して特定することができます。宛先はアドレスのほか、ドメインでの指定も可能なため、オンプレ環境のみならずクラウドサービスとの疎通性を測ることも可能です。
Paragon Active Assuranceでネットワークを「見える化」する方法については、資料にて詳しくご紹介しております。